イーサリアムのメトロポリスアップデートとは?匿名性向上・スマートコントラクト簡略化!
- 2017/9/7
- イーサリアム
- Enterprise Ethereum Alliance, Frontier, Homestead, JPモルガン, Metropolis, アプリケーション開発, イーサリアム, インテル, トランザクション, ネットワークセキュリティ, ハードフォーク, フロンティア, ホームステッド, マイクロソフト, メトロポリス, 三菱UFJフィナンシャル・グループ
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イーサリアムの「メトロポリス(Metropolis)」というアップデートが2017年9月下旬に行われることが発表されました。
今回のアップデートはハードフォークの形で行われますが、ビットコインとビットコインキャッシュのように新通貨が誕生するものではなく、仕様変更のみのものです。
メトロポリスアップデートにより、匿名性の向上、スマートコントラクトの簡略化、ネットワークセキュリティの向上などを目的としており、それにより、より大規模なビジネス向けの分散アプリケーションの開発ができるということで、注目されています。
匿名性の向上面では、仮想通貨Zcashでも使われている、匿名性を強化する技術「zk-snark」が実装され、ユーザーはより高レベルの匿名トランザクションを実行できるようになります。
スマートコントラクトの簡略化では、より簡単にシステム構築できるようになりますので、イーサリアムベースでより多くのアプリケーション開発が行われるようになることが想定されます。
また、トランザクションの取引手数料を従来のような送信者が払うという形だけでなく、受信者や中間業者など、任意のアカウントが支払うようにしたり、複数人が支払ったりすることも可能になります。
ネットワークセキュリティの向上面では、ユーザーが秘密鍵を持つアドレスを決定することを可能にし、アカウントを抽象化するマスキングという技術を導入しており、量子コンピュータのハッキングに対しても、強固なセキュリティを保ちます。
イーサリアムのロードマップ
2014年にイーサリアム財団と開発者たちは、イーサリアムのブロックチェーンネットワークに関して、柔軟性と機能性を向上させることを検討していました。
その後、2015年7月にはその解決策として、イーサリアムとアプリケーションの適合をテストできる初期のネットワーク「フロンティア(Frontier)」を発表しました。
そして、2016年3月には、プラットフォームのアップデートである「ホームステッド(Homestead)」をリリースしました。このホームステッドアップデートでは、トランザクションの高速化が達成され、大企業においてもイーサリアムが使用できるようになりました。
それを契機に、マイクロソフト、インテル、JPモルガン、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが参加する、Enterprise Ethereum Allianceが設立されました。
今回2017年9月下旬の「メトロポリス(Metropolis)」では、イーサリアムのスマートコントラクトが強化され、イーサリアム内だけでより大規模なビジネスが展開できるようになります。
さらには、今後「セレニティ(Serenity)」というアップグレードも検討しており、これが導入されると、PoS化(コインの保有数に応じてマイニング報酬が決定されます)が完了し、ネットワーク効率が大幅に向上することになります。
イーサリアムの値動きに注目
2017年8月のビットコインのハードフォークのような話題性はありませんが、インターネット上の多くのサイトでは、メトロポリスアップデートは好材料としてとらえられており、2017年9月下旬のメトロポリスアップデートに向けて値上がりしていくことが予想されています。
理由としては、システム面での大幅な機能向上を含むアップデートであることと、ちょうどビットコインがSegwit2xアップデートで揉めている時期なので、ビットコインを買っている投資家がイーサリアムに買い替えるなどして資金の流入があるであろうと言われています。