ビットコインのSegwitアクティベートが大変!?BitmainのASICBoostはオワコン!?

2017年8月24日の午前11時頃、ビットコインのSegwitがアクティベートされました。
Segwitは、スケーラビリティ問題に対する解決策の1つで、ブロックチェーンの1つのブロック当たりに入るデータの量を増やすことができる仕組みです。
ここ最近、ビットコインの流通量が増え、取引に時間がかかることが問題になっていました。
そこでその解決になるのがSegwitで、このSegwitを行うことで、ブロックチェーンの性能が向上し、取引スピードの改善が見込まれます。
ビットコインのSegwitの実装に関しては2年近く前から議論されていて、マイナー(採掘者)とユーザー(利用者)との間の対立があり、2年もの年月を経てやっと実装に至りました。
他の仮想通貨ではライトコインやモナーコインなどがSegwitを導入済みです。
Segwit実装まで時間がかかっている理由
なぜ実装までに2年もの年月を要したかというと、Bitmainのジハン・ウー氏を中心とするマイナーのグループがSegwitに反対したためです。
Segwitが実装されると、Bitmainが販売しているマイニング装置「ASICBoost」のアドバンテージがSegwitの採用によって失われるため、反対しているとのことです。
ASICBoostは、ティモ・ハンケとセルジオ・デミアン・レナーにより考案された技術で、ハッシュアルゴリズム、SHA256の計算を、ブロック内のデータを書き換えることにより30%ほど高速化することが可能です。
それにより世界中の多くのマイナーで使われています。
そのため、Segwitアップデートにより互換性が失われると、多くのマイナーが失業に追い込まれる恐れがあります。
Segwitアクティベートでどうなるか?
Segwitアクティベートにより、ビットコインの台帳であるブロックチェーンに入る取引データを少なくすることが可能です。
ブロックチェーンは1MBと、容量に上限があり、10分に1個しか作成できないという制限があるため、ビットコイン取引の量にも上限があります。
Segwitアクティベートにより、ビットコインの取引データの一部をブロックチェーン内に入れる必要がなくなるので、実質的にはビットコイン取引のデータ容量を抑えたことになります。
こういう仕組みによりビットコインの取引能力が向上します。
さらには、ビットコインのブロックチェーン以外で取引するというようなシステム構築も可能になります。
ビットコイン取引の署名ともいえる部分の取引内容はブロックチェーン内に納める必要が無くなるため、ブロックチェーン外で取引をして、その結果のみブロックチェーンに入れて取引完了とすることが可能になります。
2017年11月にはさらにSegWit2xアップデートも
2017年11月には、Segwitの次の段階のアップデートとしてさらにSegwit2xというアップデートが予定されています。
SegWit2xでは、現在1MBのブロックサイズを2MBに増やすアップデートです。
SegwitとSegWit2xの流れを簡単に説明すると、現状では増加する取引量に対応しきれなくなっていたのを、Segwitアップデートにより取引データを縮小し、1MBのままでより多くの取引を格納可能な状態にしました。
そしてSegWit2xアップデートでブロックサイズを2MBに拡大し、さらに多くの取引を処理できるようにしようという計画です。
2017年7月16日時点では、SegWit2xは86.5%の支持を集めていて、ほぼ確実に実装される見込みです。